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AES3ID-1995 / SMPTE-276M
デジタル・オーディオ信号の伝送
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続:オーディオ・トランスの話

コラム: デジタル・オーディオ信号の伝送

このコラムは、社内セミナー用の原稿を加筆・修正したものであり、著作権は当社にあります。著作権を侵害するような無断転載などはご遠慮ください。またここに記述された内容に起因する一切の事象に対して、当社は責任を負うものではありません。内容に関するご質問やお問い合わせなどにはお答え致しかねますのでご了承ください。

 デジタル・オーディオ信号の周波数


AES/EBU規格のデジタル・オーディオ信号の場合、伝送速度は 『サンプリング周波数の64倍』 です。つまり 48kHzでサンプリングされたデジタル・オーディオ信号は、ケーブルの中を約 3MHzで伝送されているわけです。これはオーディオ信号とはいえ高周波の世界です。

高周波は、可聴帯域の音声信号とは全く違う特性をもっています。従ってその伝送には専用のデジタル・ケーブル、あるいは同軸ケーブルを使って、インピーダンスをマッチング(整合)させることが必要です。

もし誤って一般のマイク・ケーブルなどを利用した場合でも信号の伝送そのものはできますが、著しく質の悪い信号になっているでしょう。機器の中ではエラー補正がかかりまくっているかもしれません。このような状態では 「デジタルは音が変わる」 などとは言わないほうがよいでしょう。

と、ここまではデジタル機器のカタログにも載っていますのでご承知だと思います。それでは実際にインピーダンスを整合させるとはどういうことなのでしょうか。

 インピーダンス整合

ちょっと話が横道にそれますが、ビデオ信号などの高周波信号では、伝送経路で 『反射』 という現象が問題になります。つまりある機器から出力された信号が、ケーブルを通って相手の機器の入力までいったところで、信号の一部が跳ね返って戻ってきてしまう現象です。『反射』 が起こると、行き (進行波) と返り (反射波) が干渉しあって定在波が発生し、本来の信号に干渉して波形が乱れ、正しい信号が伝送できません。そこで同軸ケーブルの出番となります。

同軸ケーブルは 『太さ』 と 『インピーダンス』 が規定されています。たとえば 3C-2V という同軸ケーブルは、前の 3C が 「内部の絶縁体の径が約3mm、インピーダンスが75Ω」 を現し、後ろの 2V は 「絶縁体がPEで、シールドが1重、外被が PVC」 という意味です。 3D-2V はインピーダンスが 50Ω となります。高周波の世界では絶縁体の種類によっても特性が変わってくるのです。

ちなみにこの 3C-2V のような型番は JIS 規格ですので、外国では通じません。アメリカでは MIL 規格である RG/U型ケーブルが一般的です。RGRadio Guide の略、UUniversal を意味します。特性的には 3C-2VRG59/U がほぼ同等、3D-2VRG58/U がほぼ同等ですが、機械的な規格は微妙に異なるので、例えば 3C-2V 用のコネクタは RG59/U には使えません。

PE : Polyethylene (ポリエチレン)
PVC : Polyvinyl chloride、(ポリ塩化ビニル)

 同軸ケーブルのインピーダンス

では同軸ケーブルのインピーダンスとは何でしょうか? 75Ωケーブルは 「どこで切っても 75Ω」 と言われますが、どういう意味なのでしょうか?

同軸ケーブルのインピーダンスは 「そのケーブルを無限に伸ばしたときに、手元から見たインピーダンス」 です。手元を 10メートル、100メートルばかり切ったところでその先はやはり無限ですから、インピーダンスは 75Ωです。これが 「どこで切っても 75Ω」 の意味です。

現実には無限に引っ張るわけにいきません。そこで、有限の長さ、たとえば 10メートルの長さの同軸ケーブルの、向こう側の切り口に 75Ωの抵抗をつないでやります。これを終端する(ターミネート)といいます。こうすると手元から見た同軸ケーブルのインピーダンスがほぼ 75Ωになるので、同軸ケーブルを無限に引いたのと同じことになります。先が無限ですから、信号は反射しようがありません

高周波信号ではこうして反射波の発生を防いでいるので、インピーダンス整合がとても重要なのです。

もし 75Ωの終端抵抗が違う値だったらどうなるでしょうか?あるいはインピーダンスを全く考慮していないコネクタやケーブルを使った場合はどうでしょうか?インピーダンスが整合しませんから、当然「この先は無限」とは見なせなくなってしまいます。反射が起こり、信号の質が劣化します。正しく終端しなければ、高価な同軸ケーブルもただのシールド線と同じです。

デジタル・オーディオ信号も高周波信号ですから、伝送路のインピーダンス整合が重要であることに変わりはありません。AES/EBU では線路インピーダンス 110Ωと規定されています。ですから接続には専用のデジタル・オーディオ・ケーブルを使わなくてはいけないのです。「でもケーブルは 110Ωでもコネクタがキャノンでは、整合は取れるのか?」という疑問が沸いてきますね。

確かにXLRタイプのコネクタのインピーダンスは 110Ωではありませんが、不整合の部分が短いので影響がほとんどないのです。むしろ音楽スタジオで扱い慣れたコネクタを使うメリットを重視したということでしょう。

 AES/EBU の伝送インピーダンス

EIAJ CP-1201 では、平衡形 (Type-1) の接続ケーブルのインピーダンスは 90 〜 120Ωと規定されています。ライン・ドライバの出力インピーダンスは 110Ω ±20%、出力信号レベルは 110Ωの抵抗をつないだ時に 3〜10Vpp とかなり余裕があります。またライン・レシーバの入力インピーダンスは 250Ωと規定されています。

(社内セミナー資料より)

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